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借金・債務の整理について

2020年3月24日 (火)

0 はじめに
  仕事を失って生活費のために借り入れをしたりクレジットを利用したが返せなくなってしまった。
  住宅ローンを組んだが他の借金もあり,返済が苦しい。
  サラ金から借り入れをしてパチンコや競馬で使ってしまったが勝てず,借金だけが残ってしまった。
  会社を経営していたが,不景気で取引が少なくなり,融資も受けられず,事業を続けていけない。
 
  色々なご事情で債務の返済が困難になってしまうケースがあります。
  借金やローン等の整理を行うことを債務整理といいますが,今回は特に個人の方の債務整理について,書いてみようと思います。
 
 
1 債務整理の種類について
  債務整理の種類については,個人では大きく任意整理,個人再生,破産,特定調停などがあります。
 
  任意整理とは,裁判所を通さず,債権者との間で支払方法や支払額等を合意して支払っていく方法です。交渉により,将来利息の減額や免除等を求めることが一般的です。
 
  個人再生とは,法律の要件に従って,債務を一定額減額し,原則3年間で返済する再生計画を定めて返済していく方法です。債務額の要件や反復して収入があるなどの要件が必要となりますが,自宅を維持することが可能な場合もあります。
 
  破産とは,少額の財産(自由財産といい法律で規定されています)を除いて,財産をすべて金銭に換えて配当し,残額の支払について免除してもらう(免責といいます)手続です。税金等一部の債務については免責がされません。また,浪費やギャンブル等によって債務が増えた場合などは免責が認められない可能性があるほか,一部職業(警備員など)は資格を制限されてしまう点に注意が必要です。なお,個人再生と破産については,支払いが困難であること(支払不能といいます)が条件となっています。
 
  特定調停とは,民事調停の一種であり,裁判所において,債権者と合意した内容で返済をしていく仕組みです。
 
 
2 どの方法をとればいいのか
 
  典型的なケースとしては,財産がほとんどもしくは全くなく,破産により仕事を資格を制限されるような仕事についておらず,債務が大きく増えた事情に過度な浪費やギャンブル等がなく,月々の返済がかなり難しいケースなどは破産を検討することになるかと思います。
 
  一方,自宅を保有していて,自宅は維持したいというケースや資格の関係上破産が選択できないケースなどは,まずは個人再生を検討することになるでしょう。もちろん,個人再生にはその他の要件もありますので,その他の要件を満たすかどうかが問題になります。
 
  また,破産や再生の対象となる債務は,金融機関やクレジットカード会社,サラ金業者に限らず,個人(友人・知人や親族も含みます)も対象となります。そのため,個人からの借り入れについては,義理があるので返済をしたいといった要望にはお答えできません。また,保証人がついているケースでは,債権者から保証人に対して請求が行ってしまいます。
  このようなケースで,どうしても破産や個人再生を選択できない(したくない)方については,長期間の返済合意を目指して,任意整理を選択することも考えられます。
 
  なお,法律上の要件に該当したとしても,自分で借りたものなので返済をしたいと任意整理をご希望される方や心情的に破産はしたくないとおっしゃる方もいらっしゃいます。
  そのような場合には,月々の家計状況等を一緒に見直させていただき,任意整理をしていくこともあります。
 
  このほか,最後の取引(借り入れや返済)から長期間経過してしまっているケースなどは,消滅時効期間を経過しているとして,時効を援用することで債務自体を消滅させる方法も考えられるところです。
 
 
3 債務の返済に困った方へ
 
  私個人の思いとしては,借金の返済で悩んでいる場合には,早めにご相談されることをお勧めします。早く動くことで,利息や遅延損害金の増加を防ぐほか,破産や再生等を利用する場合であっても,その後の生活の再建も早まります。
  思い立った時が一番早いのであり,もう遅いということはありませんから,お困りの場合には,お気軽にご相談していただければと思います。


カテゴリー: 債務整理

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